2017年ベストアルバム 30位から21位
今年聴いた78枚の中から選んだベスト30と少しのコメントを書いたので暇な時に是非。
30位平賀さち枝/まっしろな気持ちで会いにいくだけ
岩手が誇るシンガーソングライターの2枚目。
人懐っこいポップスで聴いていると大切な人の顔を自ずと思い浮かべてしまう。
発売は秋だったけど、春になったら外に出て好きな人に会いに行きたくなる優しいアルバム。
29位 SHISHAMO/SHISHAMO4
SHISHAMOの4枚目。
宮崎朝子の才能は衰え知らずでコンスタントにアルバムを出し、遂に紅白の舞台に立ち国民的バンドの切符を手にするまでになった。バンドの演奏もグルーヴが増してドライブしている。歌詞に登場する女の子に感情移入する事はないけど朝子ちゃんのボーカルが乗れば30歳手前の男も感動させる。
「きっとあの漫画のせい」で自分を振った男に対して鼻で笑う部分は物語の主人公の女の子が乗り移ったかの様で何回聴いても鳥肌が立つ。
28位 Shobaleader One/Electra’s
squarepusherが率いる超絶技巧集団の1st。
全編通して何が起こってるのか解らず、まるで機械が演奏しているんじゃないかと思えるほど無機質で無菌室で鳴らされている様な音。
ソニマニで観たライブはこの世の物とは思えない一寸の狂いもない演奏と照明効果が繰り広げられて一人で笑ってしまったのを憶えている。
27位Joey Bada $ $/ALL AMERICAN BADA $ $
正直歌詞も分からずヒップホップの歴史も何も分からない自分はヒップホップのどのアルバムを聴いてもそれなりの驚きと発見がある。
そんなヒップホップビギナーが特に深く感動したアルバムがこれだった。この人のフロウには堪らなく惹かれるものがある。
26位 半田健人/HOMEMADE
元仮面ライダーが作った今年一番狂っているアルバム。このアルバムの中には1980年以降の接触点がまるで無い。GS、四畳半フォーク、アイドル歌謡、ニューミュージック、ムード歌謡、ロックが一枚のアルバムに混在している。しかも作詞作曲編曲演奏歌唱を半田健人が手掛けている。正気の沙汰とは思えない狂気のアルバム。555のオープニングの歌謡曲ver.も収録。
25位 カシミヤキャット/9
アリアナ、カニエ、エドシーラン等のアルバムに参加して頭角を現して来たノルウェーの売れっ子DJ、プロデューサーの待望の1st。
均一化された音だけど、ノイズや亀裂が入る事で微妙にどこかズレている。それが曲にチャーミングさを与えて聴く人を激しく揺さぶる。アリアナグランデを客演に呼んだ曲がズバ抜けて素晴らしい。
24位 Noel Gallagher's High Flying Birds/Who Built The Moon?
最初から印象は良かった。先行で配信された「Holy Mountain」は乱暴にいうとラモーンズがビーチボーイズ風のコーラスを取り入れてグラムロック風に重厚な演奏をしている非常に楽しい曲だった。全体を通してサイケデリックなロックンロールレコードだけどオアシス後期から続いた切迫した空気は影を潜めて、風通しが良くて長く聴くアルバムになりそうな気がする。
ソロになってからのノエルの最初の到達点。
23位 Cigaletts After Sex/Cigaletts After Sex
ここまで夜が似合うアルバムを聴いたのは久しぶりだった。このアルバムには快楽がある。それはノスタルジックであり、眠りであり、死ぬという事への。とろける様な演奏と声に聴きながら眠りに落ちていた。
22位St.Vincent/MASSEDUCATION
2010年代インディ最大級の大物のポップミュージックへの呼応。BECKの新譜もそうだったけど世界的にポップとヒップホップがマーケットを支配する時代にインディと呼ばれる人達も時代に呼応しつつ自分の芯は譲らない事で新たな傑作を手に入れた。
New Yorkという曲は失った恋人に対して、
「あなたは私を唯一受け入れてくれるマザーファッカー」「私は英雄を失った/私は友を失った/だけどあなたの為にもう一度やり直す」と歌う。
今年聴いたラブソングの中でも傑出した曲だった。
21位欅坂46/真っ白な物は汚したくなる
秋元康のお気に入り。
秋元康の中では欅坂<<<<<乃木坂<<48グループ位の差はあると思う。
シングル曲は言わずもがな、カップリングやアルバム新録曲も佳曲が揃っているし、歌詞も本当に素晴らしい(相当ピンキリだけど)。
現代版木綿のハンカチーフな「青空が違う」、すれ違う恋人を描いた「沈黙した恋人よ」、サードシングルにして大名曲「二人セゾン」は本当に良く聴いた。